職場で、「いつもは穏やかで論理的なあの人が、急に感情的に爆発した」「普段は細かいことに気を配る人が、大きなミスを連発して投げやりになっている」といった姿を見たことはありませんか?

これは、MBTIのタイプダイナミクスで説明ができる現象です。心の中の「4番手」である「劣等機能(れっとうきのう)」が暴走している状態、いわゆる「グリップ状態(劣等機能の勃発)」です。

平常時、私たちの心は1番手(主機能)と2番手(補助機能)がうまくコントロールしています。劣等機能は、あえて使われず劣位にいることで、主機能が働くためのスペースを譲ってくれている大切な存在です。劣等機能は決して「能力が劣っている」という意味ではなく、使うと著しくエネルギーを消耗する機能のことです。

しかし、過度なストレスや疲労が蓄積すると、キャプテンである主機能が耐えきれなくなり、普段は抑えられている4番手の劣等機能が一気に心の主導権を握ってしまいます。すると、普段のその人からは考えられないような「自分らしくない」極端な言動が現れ、自分自身でもコントロールができなくなります。

■ 人事担当者のためのAction

社員が普段と全く違う極端な行動をとったとき、それを「本来の性格の悪さが出た」「怠けている」と評価するのは危険です。それは、強いストレス下にあることを示す「SOSのサイン(劣等機能の勃発)」かもしれないからです。

他者がそのような状態にあるときは、批判して追い詰めるのではなく、そこから距離を置き、自分も他者も守る姿勢で臨むことが重要です。タイプダイナミクスを知っていれば、相手のストレッサーにならないような配慮が可能になります。