第2部までは、MBTIの4つの指標(E/I、S/N、T/F、J/P)を一つずつ独立して見てきました。しかし、人間の心はそんなに単純なものではありません。ここから始まる第3部では、MBTIの真骨頂であり、より深い自己理解を可能にする「タイプダイナミクス(心の力動)」という考え方をご紹介します。

ネットの無料診断などでは、4つのアルファベットをただ足し算して「あなたは〇〇タイプです」と結論づけがちです。しかし、MBTIがベースとするユングのタイプ論では、それぞれの心の機能がバラバラに働くのではなく、相互に作用して働くシステムであると考えます。

これを理解するために、あなたの心を「一艘のボート」に例えてみましょう。

ボートには、4つの心の機能(感覚、直観、思考、感情)が乗り込んでいます。もし、この4人が同じ力でバラバラの方向にボートを漕いだらどうなるでしょうか? ボートはくるくると回るだけで、一向に前へ進みません。

心がひとつの方向にまとまって進むためには、行き先を決定し、メンバーを引っ張る「リーダー(キャプテン)」が必要です。ダイナミクスの基本的な考え方は、私たちの心の中の機能には「1番手(主機能)」「2番手(補助機能)」「3番手(第三機能)」「4番手(劣等機能)」という序列がある、というものです。

■ 人事担当者のためのAction

社員の行動の表面的な違い(コミュニケーションが上手い、計画的であるなど)だけを見るのではなく、その奥にある「彼らのボートのキャプテンは誰なのか(何がモチベーションの源泉なのか)」を理解しようとすることが重要です。

次回は、この「心のキャプテン(主機能)」がどのように働き、私たちの活力を生み出しているのかを詳しく解説します。