こんにちは!この連載もいよいよ後半戦。今回は、CMBOを「個人」ではなく「チーム」でどう活かすか?というテーマです。

目標って、ひとりひとりが自分で考えて、自分で取り組むもの。
…というイメージが強いかもしれませんが、CMBOでは“チームで目標をつくる”ことをとても大切にしています。

その理由とやり方を、じっくり丁寧にお話しします。

1.バラバラに頑張っても、チームは強くならない?

ある営業チームの話です。
それぞれのメンバーはとても熱心。売上目標も立てていて、頑張って訪問件数も増やしていました。

でも、チームとしてはこんなモヤモヤがありました。

情報共有がうまくいかない
クレーム対応に一部の人だけが負担
チームの方向性が見えない
これ、「個人の目標はあるのに、チームのビジョンがない」という状態です。

つまり、みんな頑張ってるけど、同じ方向を見ていない。
バラバラに走っているだけで、チームとしては前に進んでいる感じがしないんです。

2.CMBOでは「職場の使命」から出発する

CMBOでは、まず最初に「この職場(チーム)は、何のためにあるのか?」という“職場の使命”を明確にします。

これは上から与えられるものではなく、チームのメンバー全員で考えるんです。

キーワードは3つ:

貢献対象(誰に)
貢献内容(どんな価値を)
貢献方法(どうやって)
たとえば、こんなふうに言葉にしていきます。

「物流に関わる企業に対して、安心と効率のある仕組みを提供し、成長を支える存在になる。」
これがチームの「旗印」。つまり、どこに向かっていくかの地図になります。

3.個人の目標を“つなげる”ことで力が集まる

職場の使命が明確になると、個人の目標もガラッと変わります。
ただの「売上○○円」じゃなくて、「チームの方向に向かって、自分がどう関わるか」を考えるようになるんです。

たとえば:

「提案資料を、誰でも使えるテンプレにして、提案品質が安定している状態」
「ミーティングで発言が増え、知恵が共有されている状態」
「新人に仕事を引き継ぎながら、知識が継承されている状態」
こうして、自分の目標が“チームにどう貢献するか”が見えるようになると、働きがいもアップします。

4.目標は“共創”でつくる

「チームで目標をつくる」って、どうやるの?と思うかもしれませんが、難しく考える必要はありません。

CMBOでよくやっているのはこんなやり方です。

チームで「今、大事にしたいこと」を話し合う
そこからキーワードを出して、共通のテーマにまとめる
そのうえで「じゃあ自分は何をする?」を考える
たとえば、話し合いの中で「もっとお客様に安心感を届けたいね」というキーワードが出てきたら、

Aさん:「問い合わせメールの返答をもっと早く返せる状態をつくる」
Bさん:「マニュアルを整備して、誰が対応しても同じ品質にする」
Cさん:「声のトーンや表情を意識して、信頼されている状態を保つ」
これらは、一人ひとり違っていても、チームの方向性につながっているんです。

5.「任務」と「目標」のセットで強くなる

CMBOでは、チームとしての「任務」と、個人の「目標」がセットになっています。

任務=チームとして1年間でやるべきこと
目標=それを実現するために、自分がやること
たとえば:

任務:「社内連携を強化しながら、お客様への提案精度を高める」
目標:「週に1回、他部署の情報をヒアリングして、提案に活かしている状態」
こうして、「チームの方向」と「自分の行動」が一体になることで、“つながり感”のある職場になります。

6.まとめ:ビジョンがつながると、チームは強くなる

「自分がやっていることが、チームの方向とつながっている」
「チームの目標の中に、自分の役割がある」

そんな実感が持てると、仕事が“自分ごと”になります。
そして、チーム全体にも一体感と前進感が生まれます。

CMBOは、単なる「目標管理」ではなく、
チームのビジョンを“みんなで育てていく”マネジメントです。

次回予告
第9回は、CMBOを支えるもう一つの大事な存在――
「マネージャーの役割 ― “管理”から“支援”へ」をテーマにお送りします!

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