このコラムは全12回の連載シリーズ「こころの利き手に気づくMBTI入門」の第3回です。
自分を知り、他者とよりよく働くために、MBTIを正しく・実践的に学んでいきましょう。
1. MBTIの“4つの指標”って何?
MBTIでは、人の“心の使い方”を4つの観点から見ています。
それぞれ2つのどちらかがしっくりくる、というのがポイント。
ちょうど、右利き・左利きのような「心の利き手」です。
その4つの観点がこちら:
- 外向(E)/内向(I)
- 感覚(S)/直観(N)
- 思考(T)/感情(F)
- 判断(J)/知覚(P)
「どっちが正しい」ではなく、「どっちが自然?」という視点で読んでみてくださいね。
2. 外向(E)と内向(I)
これはエネルギーの向き方の違い。
- 外向(E)…外の世界で元気が出る。話しながら考えるタイプ。
- 内向(I)…自分の内側で元気をためる。考えてから話すタイプ。
Eの人がにぎやかで、Iの人が静か…とは限りません。
「どこで充電するか?」がカギです。
3. 感覚(S)と直観(N)
情報の“受け取り方”の違いです。
- 感覚(S)…五感を使って、現実をしっかりキャッチ。
- 直観(N)…アイデアやひらめきで、全体像をパッとつかむ。
Sの人は「事実に強い」、Nの人は「未来に強い」イメージ。
4. 思考(T)と感情(F)
これは、判断の“よりどころ”の違い。
- 思考(T)…筋が通っているか、客観的に判断したい。
- 感情(F)…気持ちや人との調和を大切にしたい。
Tの人は「合理タイプ」、Fの人は「思いやりタイプ」とも言われますが、 どちらも“判断の軸”として大切なスタイルです。
5. 判断(J)と知覚(P)
これは「物事の進め方」の違い。
- 判断(J)…計画的に進めたい。決めてから動きたい。
- 知覚(P)…柔軟に進めたい。動きながら考えたい。
Jの人は「締切を守る派」、Pの人は「締切に追い込まれて本領発揮派」…かも!?
6. タイプに“ハマる”のではなく、“気づき”に使おう
MBTIを知ると、つい「自分って○○タイプだから…」と考えがち。
でも、本当の目的は“自分のクセに気づいて、それを活かしたり、補ったりできるようになること”。
タイプは“可能性の入り口”なんです。
次回はこちら → 第4回:MBTIの16タイプってどう決まるの?4文字コードのしくみ
次回は、MBTIでよく見る「4文字のコード(例:ENTP、ISFJなど)」について、 どうやって決まるのか? 何がわかるのか? をわかりやすく解説します!
参考サイト・文献
- 日本MBTI協会公式サイト
- JPPジャパン:MBTIを用いた人材開発
- MBTI Manual: A Guide to the Development and Use of the Myers-Briggs Type Indicator (CAPT)
※このコラムはMBTI認定ユーザー 川路隆志(株式会社えんのした代表取締役)による執筆です。